父はおやすみと私に言う。
母は鼻歌をうたいながら家事をしている。
私はベッドにもぐりこみ、ゴウンゴウンという洗濯機の音やスリッパが動き回る音に耳をすます。
朝の生活音がそこかしこに溢れている。
「朝帰り」の日は玄関を開ける前に決まって庭に顔をだす。
以前つぼみだった薔薇が、花開いているのを見つけた。
「朝帰りの庭視察」は真冬にも薔薇の咲くことを教えてくれたりする。
花開いたまま凍っているのではと案じて指を触れさせてみると、
しっとりと水分を含んだベルベットのような質感がかえってきた。 繊細な顔をしてよっぽどしたたかだと感心する。
、
頭の片隅で2時間寝れるかと計算しながら。
0 件のコメント:
コメントを投稿